珀斗「許さなくていいんじゃん?
これからも佑樹は俺や豊永や宮内の
邪魔をしながら生きればいいと思う。」

昴「おい、珀斗。
それは冷たすぎんだろ!
こいつはてめぇのダチなのに。」

珀斗「‥本当に、ウザいくらい
いい奴なんだよ、昴は。
どんな酷い事をされても
昴だけはいつだってお前の事
信じてたよ。今だって信じてる。
信じて救おうとしてるんだ。」

俯いていた河東は顔を上げると
俺の胸ぐらに掴みかかる。

河東「何で、芹沢に同情
されなきゃなんねぇんだよ!
俺が欲しかったのは同情じゃない!
俺が欲しかったのは信頼だ!」

昴「だったら、まずはてめぇが信じろ。
てめぇにはよ、てめぇの想いに
気付けなかった事に胸を痛めてくれる
ダチがいるじゃねぇか。
てめぇのためにバスケを捨てでも
復讐しようとしてくれるダチがいるじゃねぇか。
他の誰の事も信じなくていいけどよ
そいつらの事くらいは信じてやっても
いいんじゃねぇのか?」

河東「もう終わったんだよ。
何もかも。だからもう‥」

昴「お前の人生だろ!
お前が大事にしてやらなくて
どうすんだよ!」

河東は手を離すと俺に
真っ直ぐな視線を向けた。

河東「芹沢!最後に一つ聞いていいか?」

昴「何だよ?」

河東「何で、俺の事を信じたんだ?」

昴「決まってんだろ。
てめぇが珀斗のダチだからだよ!」

河東「本当‥ウゼェな。お前。
けど、珀斗はいいダチを持ったよ。」

珀斗「ああ。昴はお前に
負けないくらい最高のダチだ!
俺は待ってるからな!
お前の事ずっと待ってるから!」

河東は珀斗に拳を突き出す。
殴るためじゃない。
これからの決意を示すために。

珀斗は笑いながら自分の拳と
河東の拳を突き合わせた。