陶太「でもそれは真山くんの...」

何かを言いかけた陶太は口を噤む。
そんな陶太の姿を見て
真山は観念したかのように話し出した。

真山「俺が人を殺さないように
昴は盾になったんだ。」

陶太「盾?」

真山「昔から俺はカッとなると
周りが見えなくなってしまう。
それをいつも止めてくれたのが
昴だった。あの頃の俺は毎日のように
寿人をやった犯人を地獄に
突き落とす事ばかり考えていた。
相手チームの奴らがその犯人だと
知った俺は殺してしまおうと思った。
試合なんてどうでもいい。
ずっと探し続けた奴が目の前にいるのなら
ここを血の海にしてしまおう。そう思った。」

陶太「血の海って、だったら真山くんは‥」

真山「だから、昴は俺がキレる前に
あいつらの事を殴ったんだ。
相手の命を守るために。俺を守るために。
日向のチームメイトを守るために‥
あの事件を起こしたんだ。」

珀斗「‥昴‥何で‥。」

陶太「何で芹沢くんがそこまでして
真山くんを庇う必要があったの?」

真山「お前たちは分かってないんだよ。
昴がどうゆう人間なのか
分かちゃいない。だから
簡単に昴の事を責められるんだ!
ただ一つだけ言える事は
あいつは何も悪い事はしてない!」

俺には分かる。真山の言葉の意味が。