父「陶太。何か言いたい事はあるか?」

陶太「僕は本当に父さんの
言う通りだと思うよ。
このままバスケを続けたって僕は
プロになんてなれないし
幸せな人生を送れないかもしれない。
あの時、父さんの言う事を
聞いておけば良かったと思う時が
訪れるかもしれない。でも僕は
ここにいる仲間と共に戦いたいんだ。」

父「それで、将来苦しむ事に
なってもか?私の言う事を聞いて
おけば良かったと思う時が
訪れてもお前は本当に後悔しないか?」

陶太「しないよ。だって僕は
今、ここにいられて幸せなんだ。
大切な仲間と共に大好きなバスケを
やってる瞬間が僕の幸せなんだ。」

父「好きにしなさい。
だが、後から私に泣きついてきても
私はもう助けたりはしないからな。」

陶太「はいっ!!」

珀斗「よかったな。トタ。」

陶太「うん。」

喜ぶ俺たちを見ながら冴子さんは
ほんの少しだけ笑顔を見せると
体育館を出ていこうとする。

昴「母ちゃん!
今日の夜こいつら連れてくから
カレー作っといてくれよ!」

冴子「任せなさい。
とびっきり美味しいの
作っておくから。」

冴子さんの瞳には涙が溜まっていた。