冴子さんの言葉に
感動してしまった。

冴子「私には昴の幸せが何なのか
正直、分かりません。
だから、私は昴のやりたいと言った事に
反対してこなかったんです。
いいえ、反対出来なかったんです。
その一瞬を幸せに生きる事が出来るのなら
それでいいと思ったんです。
自分の息子の望む未来が分からないから
幸せが分からないから私はただ
見守ってやる事しか出来なかったんです。」

冴子さんはいつだって
昴の幸せを願ってた。
どんな理由があるにせよ
どんな過去があるにせよ
自分で自分の子供の未来を
見守ろうと決めたその日から
冴子さんはただ昴が幸せだと
思える日常を望んでた。

その事が俺の目頭を熱くさせた。
堪らず俺も言うつもりの
なかった言葉を口にしていた。
昴が救われるのなら· · ·
冴子さんが救われるのなら· · ·
トタが救われるのならそれでいいと思った。