つい最近まで、ろくな練習も
出来なかった弱小部の僕たちが
元ジュニアユースとはいえ
バスケから2、3年離れていた
不動くんや芹沢くんや日向くんたちが
バスケ経験のないほぼ素人の庄司くんが
勝てる相手ではなかった。

皆、それぞれに悔しさはあると思う。
その日は部室に戻ってからも
言葉を発さなかったから。
だけど、誰一人、諦めようと
する人はいなかった。

最後までボールを追いかけ続けた皆も
最後まで声を枯らしながら応援
してくれた真山くんも負けたからって
バスケを諦める人などいなかった。
それは僕たちにとっての大きな一歩だった。

僕はここ数週間、同じ事ばかり考えていた。
今の僕たちに足りない物は何なのか。
僕たちがもっと強くなる方法は何か。

答えは一つだった。
今の僕たちに足りない物。
それは指導者だ。