真山「スタメンに選ばれなかった事は
悔しかったけど、ただ頑張ってるからって
理由でお前に認められた高杉の事が
羨ましかったんだってよ。
だから、お前に認められるように
頑張りたいって。そう言ってる奴が
目の前にいるのに放っておけねぇだろ。」

昴「それとこれとどう関係があんだよ?」

真山「この怪我。
今日の練習のせいじゃないんだ。
昨日、不動の練習に付き合ってる時
あいつと競り合って押し負けて
その時にやっちまったったんだ。
最後の最後まであいつ、気にしてたから
庇ってやりたくなったんだ。」

昴「お前、不動の事を庇ったのか?」

真山「あいつは前の学校で傷付いてる。
チームメイトの誰からも信用されなくて
脅されて厄介な事件を起こして
誰の事も信用出来なくなってバスケから
離れてって...そうゆう悔しい想いは
俺も経験したから、あいつの
味方になってやりたかったんだ。
あいつのせいじゃねぇ。
この怪我は俺の不注意だ。」

昴「不注意なんて
その一言で済ませる訳には...」

真山「あいつはすげぇよ。
どんな巨体にだって引けを取らない
押しの強さを持ってる。
考えてみろよ?俺が競り負けたんだぞ?
あいつは本物なんだって!」

昴は呆れたように微笑んだ。

昴「てめぇは指くわえて
俺らのプレーを見てろよ。
安心しろ。不動には死んでも
フルで出てもらうからよ。
てめぇがいない分のカバーは
あいつに任せるからよ。」

俺が拳を突き出すと笑いながら
昴も拳を突き出した。