昴「俺らに出来る事なんて何もねぇ。
これはあいつの問題だ。」

珀斗「あいつ、今さ5つも
バイト掛け持ちしてるんだって。
美嘉ちゃんを早く元の生活に
戻してあげてぇって気持ちだけで
ボロボロになりながら頑張ってるんだよ。
それを頑張れの一言で片付けていいのか?
ダチは見捨てないんじゃねぇのかよ?」

俺はもう一度タバコを取り出し
火をつけ、胸ポケットから
一万円札の束を取り出した。

昴「お前も相当、らしくねぇな。
人助けなんてガラじゃねぇだろ。」

珀斗「お前これどうしたんだよ?」

昴「暇だったからよ。
バスケも喧嘩も出来ねぇし
他にやる事なかったから
筋トレがてらに働いただけだ。」

珀斗「呑気にタバコなんて
吸ってる場合じゃない!
さっさとこれ届けに行くぞ!
俺たちの想いを庄司に届けよう!」

今度は珀斗が俺の手からタバコを奪い
海に投げ捨てると俺たちは
庄司の妹が入院している病院へと走った。