寂しさは埋まるどころか逆に増した。
冴子さんのような身近な人間と
少なくとも今は話すべきじゃなかった。
冴子さんと話していると
どうしても昴の存在の
大きさを感じてしまう。
冴子「珀斗、大丈夫？」
珀斗「え？大丈夫に決まってますよ。」
冴子「あいつは正真正銘の
バカだから、あんたの思ってる事は
ちゃんと言わなきゃ分からないわよ。
察するなんて器用な事が
出来る奴じゃないんだから。」
何も言わなくても冴子さんは
分かってるみたいだった。
いや、違うか。
きっと、相手が冴子さんじゃなくとも
今、俺が置かれてる状況が悲惨なものだと
分かるほど俺は追い込まれていたんだ。
