そして、昼休み。
谷口先生から呼び出されて印刷室に行くと、あっという間に引き寄せられ、ダンッ、と言う音が耳に響いた。
「せ、先生?」
「黙っていろ。・・・花恋」
耳元で囁かれた言葉に恥ずかしさやら嬉しさやらが混ざる。
名前で読んでくれた事が嬉しくて顔を前に向けるが、そこには冷たい瞳で私を捉えている先生が居た。
「アイツは誰なんだ。何故、お前に馴れ馴れしく触っていた」
「な、何の事でしょうか」
「あんな奴がタイプなのか?俺よりも」
今日の事を振り返っていると、頭に浮かんだのは数学の授業中に話し掛けてきた隣の席の坂井君だ。
カッコ良くて優しい王子様タイプの男子で友達として仲良くやっている。
「そんな事・・・んっ!?」
先生の顔が近付き強引に口付けられる。甘噛みされた唇がジンジンと熱を持ち痛くなってくる。
「俺以外とは馴れ馴れしくするな。」
「え?」
「返事を言え」
「は、はい」
そう返すと、もう一度顔が近付き優しく甘い口付けが降ってきた。
これからも宜しくお願いします、怜奈先生?

