手を止め、一瞬だけ
哀しみの表情を浮かべた。

執事の人間らしい部分を
見たのは初めてだった。

遼「俺としても一応
あんたの意見は聞いとかなきゃって。」

でも、執事は執事だった。

春川「ご存知かとは思いますが
お嬢様はほとんど何も出来ません。
料理、洗濯、掃除。
そういった事からは無縁の生活を
されて来ました。」

遼「分かってる。
あいつにそんな事させようなんて
思ってないから。
一人暮らしは長いから
俺が全部やるよ。」

春川「お嬢様の事で何か困った事があれば
いつでもご連絡ください。」

遼「うん。」