「………」

笑ってはいる。

が、住む家が無くなってしまったためか不安そうだ。

「ひとまず今日は友達の家に泊まるよ。心配してくれてありがとう。」

「いや………そんな……」

知り合いが大変な目に合っているのに、上手く励ましの言葉が出てこない自分が恨めしい。

藤野君は友達に電話をするみたいで、携帯を出した。

「げっ………」

「どうしたの?」

「充電………」

そう言って真っ黒な画面を見せてきた。

「あらま………それは困るね……。あ、充電器は持ってる?」

「え?あ、うん。一応…」