全ては、あの事故から始まった。



2ヶ月前、高校2年4月。

私はすっかり慣れた制服とローファーで学校へと向かった。

何の変哲もない、晴れた日だった。

いつも通り授業で、部活で。

しかし、その日はいつもとは少しだけ違った。

いや、少しどころじゃなく違っていた。

帰り道、何故だか人だかりができていた。

焦げ臭かった。

消防車が消化するのを初めて見た。

建物が燃えているのを初めて見た。



どうやら、家の近くのアパートで火災が起きたようで、建物は全焼だったらしい。

怪我人がいないのが唯一の幸いだった。