ACT2〜破滅〜
それから3年が経った日のこと。
タクミは夜更かしをし、書庫の本の中で眠ってしまっていた。
タクミ「寝落ちてた…」
「おい、あれ人が埋もれてるんじゃないか?」
「あぁ、あの問題児の相棒か。
ほっとけよ」
「重罪人の相棒なんて、つくづく可哀想だよな」
周りの神父達がヒソヒソとタクミの噂話をする。
行方を眩ませたリオは処分、その場に居合わせていたタクミはシスターにより無期限謹慎処分になってしまった。
そのせいで協会から出ることは許されず、やることと言えば子猫と戯れるか、光魔法の特訓しかなかったのだ。
自分を馬鹿にして裏切ったぶん仕返しをしてやる、そう思ってこの3年間勉強と魔法に勤しんできた。
タクミ「(俺に今出来ることは、アイツが誰かに殺される前に…)」
アイツを殺すこと。
そう誓うタクミの首元にはルビーのネックレスがかかっていた。
✩
そして時は経ち昼下がり。
階段の隅で少女が一人泣いていた。
そこへ、見知らぬ青年が話しかけてきた。
リオ「どうしたんだい、お嬢さん?」
話しかけたのはリオだった。
なぜここへ帰ってきた理由は分からないが、きっと何かを企んでいるに違いない。
「転んじゃったの…」
少女が涙を拭きながら悲しそうに呟いた。
リオ「そうか、少し待っておくれ」
そう言うとリオは素早くガーゼとテープを取り出し、少女の膝に貼ってあげた。
そして、少女の手当した膝に手を置き、呟いた。
リオ「君にご加護があらんことを」
すると手を当てたところが微かに紫色に光出した。
リオ「ほら、もう痛くないだろう?」
リオが手を離すと、その光は消えた。
そして、その少女には笑顔が戻っていた。
「うん、ありがとうお兄ちゃんっ!」
✩
その時、協会ではちょうどシスターが神への懺悔を終えたところだった。
シスターが自室へ戻ろうとすると、カツカツとこちらに向かって歩く音が聞こえてきた。
シスター「おや、どちら様ですか?
こんな朝早くか((ザシュッ…
リオ「失礼、あまり時間が無いんだ」
リオがシスターの腹部に剣を刺した。
シスターが力無く倒れ、最後に見たのは笑顔のリオ、そして笑顔で血を弄ぶ悪魔と死神の姿だった。
✩
シスターの屍がほかの神父によって発見され、協会中は大騒ぎになっていた。
もちろんその頃にはリオはおらず、懺悔室はもぬけの殻だった。
「なぜ見つからない、これほど派手にアイツは動いているのに!!」
「し、しかしこのままでは攻撃をされる一方です。
そんなことになったらこの協会は…」
眉間にシワを寄せるのは、長年この協会で務めてきた法王だった。
「タクミを呼べ」
「っ、なぜですか?」
「…彼を使うんだ」
✩
法王室に連れてこられたタクミは、法王の前にひざまづいた。
「お前は幾度に渡りリオの殺害を進言してきたが、勝算はあるのかね?」
「はい、必ず」
「ならば貴様に命じる、リオを速やかに処理せよ」
「仰せのままに」
こうしてタクミはリオに復讐するため、宛のない旅に出る事になる。
それから3年が経った日のこと。
タクミは夜更かしをし、書庫の本の中で眠ってしまっていた。
タクミ「寝落ちてた…」
「おい、あれ人が埋もれてるんじゃないか?」
「あぁ、あの問題児の相棒か。
ほっとけよ」
「重罪人の相棒なんて、つくづく可哀想だよな」
周りの神父達がヒソヒソとタクミの噂話をする。
行方を眩ませたリオは処分、その場に居合わせていたタクミはシスターにより無期限謹慎処分になってしまった。
そのせいで協会から出ることは許されず、やることと言えば子猫と戯れるか、光魔法の特訓しかなかったのだ。
自分を馬鹿にして裏切ったぶん仕返しをしてやる、そう思ってこの3年間勉強と魔法に勤しんできた。
タクミ「(俺に今出来ることは、アイツが誰かに殺される前に…)」
アイツを殺すこと。
そう誓うタクミの首元にはルビーのネックレスがかかっていた。
✩
そして時は経ち昼下がり。
階段の隅で少女が一人泣いていた。
そこへ、見知らぬ青年が話しかけてきた。
リオ「どうしたんだい、お嬢さん?」
話しかけたのはリオだった。
なぜここへ帰ってきた理由は分からないが、きっと何かを企んでいるに違いない。
「転んじゃったの…」
少女が涙を拭きながら悲しそうに呟いた。
リオ「そうか、少し待っておくれ」
そう言うとリオは素早くガーゼとテープを取り出し、少女の膝に貼ってあげた。
そして、少女の手当した膝に手を置き、呟いた。
リオ「君にご加護があらんことを」
すると手を当てたところが微かに紫色に光出した。
リオ「ほら、もう痛くないだろう?」
リオが手を離すと、その光は消えた。
そして、その少女には笑顔が戻っていた。
「うん、ありがとうお兄ちゃんっ!」
✩
その時、協会ではちょうどシスターが神への懺悔を終えたところだった。
シスターが自室へ戻ろうとすると、カツカツとこちらに向かって歩く音が聞こえてきた。
シスター「おや、どちら様ですか?
こんな朝早くか((ザシュッ…
リオ「失礼、あまり時間が無いんだ」
リオがシスターの腹部に剣を刺した。
シスターが力無く倒れ、最後に見たのは笑顔のリオ、そして笑顔で血を弄ぶ悪魔と死神の姿だった。
✩
シスターの屍がほかの神父によって発見され、協会中は大騒ぎになっていた。
もちろんその頃にはリオはおらず、懺悔室はもぬけの殻だった。
「なぜ見つからない、これほど派手にアイツは動いているのに!!」
「し、しかしこのままでは攻撃をされる一方です。
そんなことになったらこの協会は…」
眉間にシワを寄せるのは、長年この協会で務めてきた法王だった。
「タクミを呼べ」
「っ、なぜですか?」
「…彼を使うんだ」
✩
法王室に連れてこられたタクミは、法王の前にひざまづいた。
「お前は幾度に渡りリオの殺害を進言してきたが、勝算はあるのかね?」
「はい、必ず」
「ならば貴様に命じる、リオを速やかに処理せよ」
「仰せのままに」
こうしてタクミはリオに復讐するため、宛のない旅に出る事になる。