この時間に帰ってるんだな。





そう思いながらスマホをいじる。




特にすることないしなぁ。






バスの中って暇だよな、本当に。





「⋯⋯っ⋯⋯っ」




鼻のすする音が聞こえる。





そういえばこのバス俺と女の子の2人じゃね?





ってことは⋯⋯





ちらっと後ろを見ると、やっぱりあの女の子が泣いていた。






どうしたんだ?





落ち込んだような⋯⋯辛そうな⋯⋯





「大丈夫か?」





気づいたら声をかけていた。





もう、今更引き返すことは出来ない。