しばらく考えた後、男の人は諦めた様に私に

質問した。

「マチとは何だ?」

「えっ…?」

町を知らない不思議な男の人を前に私は思わ

ず固まった。

「村と同じ様なモノか?」

そんな私の様子をよそに質問を続ける。

私が頷くと、微笑んで私の頭を撫でた。

「私が連れて行ってやるから、もう泣くな。森を出たら、道は分かるか?」

「うん」

彼が頭を撫でると不思議なことに涙は止まっ

てしまって、シャクリも出なかった。

起き上がってみても、足は痛まない。

あんなに痛かったのに…。