森の中を突き進むこと数十分。

足元の落ち葉は絨毯みたいにふかふかで入り

口近くよりも、緑も多い。

綺麗な鳥の鳴き声も聞こえて来る。

私は声の主を探そうと自然と空を見上げてい

た。

ズルッ

「ヒッ」

足元の落ち葉に足を取られた。

体勢を立て直す暇もなく、体は倒れる。

そして、傾斜に向かって滑り出した。

足に力を入れて踏ん張ってみるが、まるで効

果がない。

それどころか、どんどんスピードが上がって

いるようだ。

私は悲鳴をあげる余裕もなく、怖くて目をぎ

ゅっと閉じた。