もう一度。

登山開始から10分、張り切っていたはずの玲依ちゃんは、既に根をあげていた。


「もう無理ぃ!!早く下山しよ!!げーざーんーっ!」


今にも踵を返してしまいそうな玲依ちゃんを止めたのは、やっぱり久保君だった。


「玲依、頂上に着いたらきっと綺麗な景色見られるから。頑張ろうよ。ね?」


「柊弥が言うなら、頑張る……」


そう言って、玲依ちゃんはまた前を見て登りだした。


頂上に登る間、小さな小川の上にあった板を踏み外し、小川の中に足を突っ込んでしまった。


おかげで、靴は茶色く、びしょびしょになり、片足だけが冷えきっている。


それでも最後まで登りきって、クラスで集合写真を撮った。


「これって、後で買えるんだよね?」


「多分買えるよ!」


「日和、後で一緒に写真撮ろうね!」