学生時代の友人が見たら、別人格を疑われると思う。“王子”とあだ名がつけられるほど見た目の女らしさも無かったし、女の子にばかりモテてたし。
身長もフツウの女の子に比べれば背はあったかもしれない。細身で凹凸もそれほどなくて、顔立ちも中性的だとよく言われた。
おまけに名前も沢崎樹。字面だけ見たら男性ぽい。両親の名付け方に異を唱えるつもりはないけど、もう少し別の選択肢があったんじゃないかと思ったりもする。
陶史郎さんは珍しい人だった。最初から普通に口説かれた。花束やアクセサリーのプレゼントも数えきれない。手を繋いだり腰を抱いたり、外国育ちですか?ってぐらい挨拶みたいにキスも。
『僕はキミをお嫁にするから逃げないでね』
この部屋で。いつも冗談みたいに言う人が、鈍色の銃口を突き付けて迫るように鋭い気配を放っていたから。・・・ああ逃げられないんだなって。一晩で身に染みた。
16も歳が違うのはこの際置いとくとしても。彼の伴侶が務まるとは到底思えない。・・・そう言い続けてるのに、一向に気持ちが変わる気配もない。溺愛ぶりは更に加速してくばかりな気がする。
身長もフツウの女の子に比べれば背はあったかもしれない。細身で凹凸もそれほどなくて、顔立ちも中性的だとよく言われた。
おまけに名前も沢崎樹。字面だけ見たら男性ぽい。両親の名付け方に異を唱えるつもりはないけど、もう少し別の選択肢があったんじゃないかと思ったりもする。
陶史郎さんは珍しい人だった。最初から普通に口説かれた。花束やアクセサリーのプレゼントも数えきれない。手を繋いだり腰を抱いたり、外国育ちですか?ってぐらい挨拶みたいにキスも。
『僕はキミをお嫁にするから逃げないでね』
この部屋で。いつも冗談みたいに言う人が、鈍色の銃口を突き付けて迫るように鋭い気配を放っていたから。・・・ああ逃げられないんだなって。一晩で身に染みた。
16も歳が違うのはこの際置いとくとしても。彼の伴侶が務まるとは到底思えない。・・・そう言い続けてるのに、一向に気持ちが変わる気配もない。溺愛ぶりは更に加速してくばかりな気がする。



