ソンナモノハ、イラナイ。

どっかで何かが()ぜた音がした。

ツグナイナンカ、ホシクナイ。
 
形だけのお嫁になんてしてくれなくていい。

なりたくない。

方向を見失った気持ちが、絡まって折れ曲がって。自分で自分が制御できなくなる。

突き動かされ、揺さぶられ、堪えようと思っても駄目だった。胸の奥で生まれた真っ黒い塊が、ナカから“出せ”とせり上がる。



「・・・・・・“普通”のお嫁さんになれないなら・・・陶史郎さんとは結婚したくない・・・」