「ね、上原くんて彼女いるのかなぁ」


始業式が終わったあと。あきこの隣で智子は同じスピードで歩く。



「えー?そんなの知らないよ。…彰だったら分かるかもしんないけど」



うっかり言ってしまった。彰はひろしと仲がよかったから…つい…

言わなければよかったと今でも思う。

「ほんとに!?じゃあ聞いてもらってもいいかなぁ?」

嬉しそうに顔をあげた智子には

もう何も言えなかった。







「ね、彰…。」



2人で下校していた時。あきこは彰に

あの話を持ち出そうとしていた。

約束してしまったものは仕方ない。


「ん?なに?」


パッとこちらを見たので恥ずかしくなり

目線を地面に移した。




「あの…ね、彰…上原と仲いいじゃない?だから
好きな人とか…聞いて欲しいんだけど…」