気まずい。

気まずすぎる。

何か話してほしいんだけど。

睦月はいきなり口を開いた。

「算数。新しいとこやってる。分数のわり算とか」

ぼそっと無表情で言った。
こいつはおばちゃんとおじちゃん以外表情を出さないやつなんだろう。

てか、よく考えれば休んだとき写せるし

考えようによったらラッキーかもしれない。

「そうなんだ。そういや、あたし、遠藤と話すの初めて…だよね?」

睦月はしばらく考えて、答えた。

「いや。小さい時に一回だけあそんだことある。きっと。そんな記憶ある。」


昔に一回会ったことあるような気がするけど、覚えてたんだ。

またまた意外。

なんて考えてると睦月は上に行ってしまった。

「俺の部屋、どこ?」