「あの、あたしも探してるんで一緒に読ませてもらっていいですか?」

おじいさんはニコッと笑って「いいよ」と言った。

きっと大きな事件だから大きい記事に載ってるはず。

けど、なかなか見つからない。

時計に目をやるとすでに12時半。

睦月お腹すかしてるかな…。

「あった!」

隣で大きな声が聞こえてびっくりした。

図書館にいる人がこちらをじろじろ見てる。
おじいさんは恥ずかしそうに顔を本で隠すと小声で言った。

「いや、7年前にひきにげがあったんだ。その加害者がわしの息子で…今捜索中なんだが…見つからなくて。少しでも情報があれば見つかるかと思ってな。」


加害者が息子…。
複雑な心境だよね…。だって見つかって欲しいと思うけど、見つかったら逮捕されちゃうんだもんね。

「おじいさんはもし、自分の息子が見つかったとしたらどうするの?」