秘密の約束。

「その日になったら教えるよ」

前を向いてさっきより早いスピードで歩き出す。
睦月の手はさっきより熱かった。

「えー。気になるー」

あたしはだだをこねた。そうすれば教えてくれそうな気がしたから。

「11月になってからのお楽しみ

あ。」


そう言って睦月ははぐらかした。睦月の視線の先をみると


ビルの合間から朝日が出ていた。雲が太陽の光をうけてキラキラしてる。

「綺麗だね…」

「ん?あぁ、そうだな」

睦月は綺麗とか思ってなかったらしく
すぐに視線をあたしのほうにむけた。

「口開いてる」

ぷっと笑ってあたしの口に何かいれた。

「うわっ!なにこれ?」

慌てて口の中のものを出す。睦月は「きたねー」と笑った。

自分がいれたくせに。