「うん。まだ範囲表配られてないから
勉強できてないんだ。」
「そんなの、自分で考えればできることでしょ。
月野は、自分で考えて勉強してたわよ。」
「あっ…うん。」
ほら、またそうやってお姉ちゃんと比べる。
「もぅ、いいじゃないか。
朝からテストの話なんてするもんじゃないだろ。」
パパはママと違ってあまりテストのことに口を挟まない。
パパのおかげで、終わったテスト話。
『パパ、ありがと〜』
心の中でそうつぶやきながら私は朝ごはんを食べた。
「夢野。お弁当おいとくね。」
ママは、洗濯カゴを持ちながらそう言った。
「はぁーい。」
私は適当に返事をし、食器を流しに持っていった。
