ハツコイ


次の日、柚とのプチデート(と言っても、ただ一緒に帰ってシャーベット食べただけ)についてタケルに話していた。




「柚がゆず味のシャーベット買っててさー。可愛いよなぁ。」




「はいはい、よかったな。念願の名前呼びができて。」




本当だよ。



しかも、柚って呼んでるの、俺だけだぞ。




ひひひ。




…と、喜ぶのも束の間、タケルが妙なことを言い出した。




「つーか、お前もだけど、倉科だってあれだけの告白どう断ってんだろな?」




「……………え?」




キョトン顔の俺に対し、タケルは呆れ顔で返してきた。




「マジかよ、琉偉。倉科も、結構他の男に言い寄られてんぞ。うかうかしてると、他のヤツと付き合っちゃうぞ〜!!」



最後は冗談めかして言ったんだと思うけど、俺には冗談として受け取ることはできなかった。




動揺しながらもチラッと教室の窓際にいる柚を見た。



いつもと変わらない笑顔で、水樹エリと喋っている。




だから気づかなかった。




俺は柚の何を見てたんだろ。




柚が他の男と付き合うなんて…耐えられない!!