ハツコイ


「なあ、みんな柚奈って呼んでるだろ?クラスの女子とか。」




それから、自然と一緒に帰ることになり、俺はいろいろと聞いてみた。




「そうだね。みんな普通に名前だよ。それがどうかした?」




「じゃあ俺は柚って呼ぼうかな。さっき柚って呼んだ方が、しっくりきた!」




「…うん。」




返事に間があったなと思いつつ柚を見ると…




顔が真っ赤になっていた。





も…




もしかして…




柚も、俺のこと?




「あのさ、ゆ…」



「あ、ねえ。コンビニ寄らない?すっごく美味しいシャーベットがあるんだ。」




パッと表情を変えた柚が、コンビニへ向かって歩き出した。





そんな柚を追って、俺もコンビニに向かいながら小さく独り言を呟いた。





「まさか…な。」