「じゃあ、安座間くん呼びが卒業できるように、応援してるね。」
「えっ?」
聞き返そうとした時は、すでに俺に背を向けて行ってしまった倉科。
名前で呼んでくれるの、承諾してくれたってこと?
嬉しくて舞い上がりそうだ。
「おーい、安座間!位置につけ〜!!」
「あ、すいません!!」
この恋を成就させるためなら…
「位置について、ヨーイ…」
どんな“約束”だって…
ーーーパァン!!
「…安座間、速い!!」
…果たすよ。
「安座間、陸上部入れよー!!」
「いや、野球部もいいぞ!」
「持久走もイケるだろ?だったらサッカー部に…」
走り終わった直後は、こんな感じ。
すでに部活を決めてる男子からは、部活に勧誘され。
「超かっこいいー!!」
「やばーい、ファンになっちゃったー。」
女子から、熱い視線を注がれ。
でも、俺が欲しいのは、ただ一つ。
倉科に言ってほしいよ。
かっこよかった、って。

