仕事を終え、オフィスの前で琉偉を待つ。



マーケティング課のオフィスをチラッと覗くと、琉偉はまだ仕事をしていた。






そんな時だった。




「柚奈ちゃん、偶然〜!!」




その声に振り返ると、そこには…




「芽衣ちゃん…」




渦中の人がそこには立っていた。





「柚奈ちゃん、誰か待ってるの?もしかして…琉偉くん?」




何、これ。




私が琉偉の彼女なのに…



まるで芽衣ちゃんが彼女かのように、私が質問されてる、この状況。




「そうだけど…芽衣ちゃんはどうしたの?」



「あたしも琉偉くん待ってるの!」




そう言って、私よりも前に立ち、オフィスの中を覗く芽衣ちゃん。




「…琉偉に何か用事?」




そんな芽衣の背中に、できるだけ冷静に質問をぶつけた。




すると…







「…わかってるくせに。」





そう言って、私を見て笑った。