『さっき話そうと思ったけど、みんなに邪魔されて言えなかったからさ。その話をしたくて。』
「あ、そうだったね。何だった?」
電話先の琉偉の声は、一段と低く感じて……心地よい。
『いや、大したことじゃないけど電話じゃ何だし、今からそっち行ってもいい?』
そんな心地よさにフワフワしていたら、琉偉にとんでもない提案をされた。
「ええっ!?」
『あ、別に俺の部屋でもいいけど?』
いやいや、そうじゃなくて!!
一応今は恋人じゃないんだから、そんな簡単に部屋に上がるなんて…
ぐるぐるといろんなことが頭の中を駆け巡りながら、一人アワアワしていたら…
『じゃ、俺がそっち行く。』
「ちょ、ちょっと待って!!私、今お風呂から出たばかりで、その……パジャマ着てないし…」
すると、しばらくの沈黙の後…
『別に問題ないじゃん?柚の裸、見たことあるし。』
なんて言うものだから。
「この、ど変態ー!!!!!」
そう思いっきり叫ぶも、電話の向こうは楽しそうに笑うだけだった。
そして、私は真っ赤に染まった顔を必死に冷ましながら、部屋着に着替える。
結局私が準備出来次第、琉偉の部屋に行くということで、話は収まった。
本当に琉偉に振り回されっぱなしだ。

