部屋に帰り、お風呂に浸かりながら、今日一日を思い出していた。




突然琉偉と再会して…





なんだか、胸が苦しくなって…





それって、今でも琉偉のこと好き…ってことなのかな。




それはまだよくわからないけれど、ずっと忘れられないでいたことは確かで。




「…あーもう!!」




お湯をバシャッと自分の顔にかけて、立ち上がった。




これ以上考えていても、答えは出ないし、のぼせるだけ。




お風呂から出て、バスタオルを巻いたままソファーに座った。




すると、机の上の携帯が振動していた。




着信の相手を見ると…





“安座間琉偉”





消したくても、ずっと消せなかった番号。




その番号が、今画面に表示されている。





「……もしもし…」




『…柚?』




琉偉の電話に出る時のクセ。




第一声はいつも必ず「柚?」だった。




今も…変わってない。




「…うん」




『よかった。番号変わってなかった。』




「うん…琉偉も。」




お風呂に浸っているよりもずっと、今の方がのぼせそう。