「琉偉、この子新入りの倉科柚奈。あんたの隣だから、もう挨拶済み?」
「あ、てか…高校の同級生だから。」
私の紹介をしてくれた百合さんに、けろっとした表情で答える琉偉。
「え、すげーじゃん!偶然だろ?」
「も、もちろんですよ!!」
…て、私なにムキになって答えてるのよ!!
「柚奈、あの子は三橋麗華。二階会のオブザーバーってとこかな。」
「オブザーバー…?」
麗華さん…て、名前まで美しい。
「イヤだわ、百合さんってば。そんなんじゃないのよ。ここの住人ではないけれど、時々琉偉に付いてきて混ぜてもらってるだけ。」
そう言ってニコリと笑う麗華さん。
「ホント、あんたたちラブラブだよねぇ〜。」
あーみんの一言に、私は思わず凍りついてしまった。
いや、二人で来た時点で怪しまなきゃいけないんだけどさ。
さっき麗華さんとすれ違ったし、てっきり住人だと思ったわけで…
「よかった!さっきお名前も聞けなくて、後悔していたところだったの。柚奈ちゃん、よろしくね。」
「あ、こちらこそ。」
琉偉…こんなキレイな人と付き合ってるんだ…。
二階会の間中、どうしても琉偉の顔が見れなかった。

