家に帰っても落ち着かないまま、二階会の時間がやってきてしまい…



私は百合さんの部屋にいた。





「みんなー、注目!今日から二階会の新入り、倉科柚奈。ついに隣の部屋に引っ越してきてくれましたー。」



「ようこそ〜!」




二階会なんてご飯会をやるくらいだから、二階の住人はみんな素敵な人たちばかりだった。




男女比も半々。




「柚奈ちゃんか。俺、重岡優馬。よろしくね。」



「そいつはシゲね。」



背後から百合さんの声が飛んでくる。




「シゲ…さん?」




遠慮がちに呼ぶと、重岡さんがふっと笑った。




「二階会はみんなあだ名決めて呼んでるから、気にせず呼んで!柚奈ちゃんは…まあそのままがいいかな。可愛い名前だしね!百合もそう呼んでるみたいだし。」




「はい、よろしくお願いします!」




「ちょっと〜あたしも仲間に入れてよ!志賀亜美、あーみんでーすっ!」




「そして僕が鳥居領。二階会にはりょうちゃんって呼ばれてるから、よろしく〜」




シゲさんの後ろからひょっこりと現れた二人。



「倉科柚奈です、よろしく。」




二階会のおかげで、みんなと仲良くなれて嬉しい。




…けど。




「あ、あの。あと一人…いますよね?私の隣の部屋の…」



琉偉の姿は、ここにはなかった。



「ああ、琉偉ね。あいつ今日来るのかな?」



百合さんが、テキパキと鍋の準備をしながら呟く。



「さっき部屋出る時見たけど?後で行くって言ってたぞ?」



シゲさんも、百合さんを手伝いながら答えていた。




…来るんだ、琉偉。




心臓がドキドキしてきた。





と、その時だった。




「遅くなってごめん!」




そう言って現れた、琉偉と…





さっきアパートの入り口でぶつかりそうになった美女がいた。