借金取りに捕らわれて 2

「ヒロさん、お待たせしてしまってすみません。思いの外、準備に手間取ってしまって。」



玄関のドアを開けると、そう言って雪斗君がドアの向こう側に視線を向けた。



なんだろう?とひょっこりドアから顔を出し雪斗君の視線の先を追った私は、その光景に目を見張った。



「わあ、凄い。」



雪斗君の部屋の前には、丸いバーテーブルとイスが2つ置かれていた。



バーテーブルには白いレースのクロスが掛けられ、中央には桃色に淡く輝くキャンドルグラス、その横には花柄の白磁のティーポットとお揃いのティーカップセット。


そして、対岸にお皿とフォークが各々置かれている。



「どうぞ、お姫様。」



驚いている私に、雪斗君が恭しく手を差し出す。



「私、お姫様って感じじゃないでしょ。」



くすっと思わず苦笑を浮かべその手を取れば、イスへとエスコートしてくれる。