私は雪斗君を警戒する必要はないと思うんだけど、あそこなら明るいし、今の時間なら会社帰りの人が結構通るから人目もあって良いだろう。


「全然構いませんよ。俺部屋に入れたら、彼氏さんに怒られちゃいますもんね。それに俺の部屋はもっとダメだろうし。」



雪斗君の部屋に入ったら…

何て言われるか怖くて想像も出来ないな…



「あっ!それなら俺に良い考えがあります!ちょっと中で待っててもらえますか?呼ぶまで出てきちゃダメですよ。」


「えっ、良い考えって?」


「いいからいいから。」と背中を押されるように自分の部屋に押し込まれ、首だけ動かし振り返れば笑顔が返される。


「俺準備しますから、ヒロさんはゆっくりしてて下さい。」


そのままドアを閉められ、その向こうで隣のドアが閉まる音が聞こえた。