そんな高級なケーキをこんなに…

嬉しさよりも逆に凄く申し訳ない気が…

それに、一人じゃこんなに食べきれないし。

真希がこっちにいたら呼んだんだけどなー

んー

言うかちょっと躊躇ったが、目に留まった箱に貼られた賞味期限のシールに、迷いが払われた。



「雪斗君、良かったら一緒に食べない?賞味期限今日までだし、一人じゃこんなに食べきれないから。」


何かあったら連絡しろって秋庭さんに言われたけど、流石にケーキ食べきれないからって忙しい秋庭さんを呼べないし…


「えっ、良いんですか!?」


喜ぶ雪斗君はまるで、体の大きいワンコが尻尾を振って喜んでいるように見えて、自然と笑みが溢れた。


「実は、ここのケーキちょっと気になってたんですよ。」


「あっでも、部屋に上げられないから直ぐそこの公園のベンチでだけど。」


道を挟んだ先の外灯が灯る公園を指差す。