あのお店の…

「開けてみて良いかな?」

雪斗君を見上げれば、彼はニコリと笑った。

「はい、開けて見て下さい。」

自然な動作で雪斗君が箱を変わりに持ってくれ、私はシールのついた蓋を開けた。


「わあー綺麗ー」


中には思わず声が漏れる程キラキラと輝く、色とりどりのケーキが並んでいた。

一つ一つがまるで芸術作品だ。

しかも、そんな代物が8個もあるのだから驚いた。


「こんなにいいの?」

「はい!ヒロさんの好みが分からなかったので色々買ってきちゃいました。スタンダードな物からちょっと変わった物まで色々ありますよ!」


好みが分からないとはいえ、ちょっと多いよね…


「表参道にあるTea timeっていうケーキ屋さん知ってますか?」

「よくテレビで特集されてる所だよね?」


高級なケーキ屋さんで、一切れ千円近い値段がしていた気がする。


「はい、そこが新しくお店出したのが、Tea partyなんですよ。だから味は保証付きです。」