ちゃんとしたお礼、とは…


最初に甘い物が好きか聞いたってことは、中は確実に甘い物、つまりお菓子ってことだよね?


お菓子って私のなかでちゃんとしたお礼なんだけど…


雪斗君の考える"ちゃんとしたお礼"がどんなものかは分からないけれど、ここで受け取らなかったら後々大変な気がする…

それに、折角持ってきてくれた物を跳ね返すのは逆に失礼だよね…


私はその箱を受けとることにした。


「ありがとう…頂くね。」


「はい!でも、少し残念です…」


私は箱を受け取りながら、笑顔が薄れシュンとした雪斗君に首を傾げる。


「ちゃんとお礼したかったです…」


だからちゃんとしたお礼とは!?


「いや、十分だよ!?ちゃんと気持ちは伝わったから!」


渡された箱は思ったより重量を感じた。

そして、この独特の形状。

箱の上に書かれた『Tea party』の文字。