「篤志さん、お疲れ様でしたー」


「ああ、お疲れー」



仕事を先に上がらせてもらった俺達は、裏口から出ると左右へ分かれた。



今日も疲れたなー

慣れた仕事ではあるが、終始立ち仕事で足が重い…

てか、全体的に怠い…

疲れてはいる。が、それでもこのまま家に帰るのもな~

給料日前で財布は軽いが少しくらいなら大丈夫か。



いつもの楽観的な性格が顔を覗かせ、どっかで一杯飲んで行こうと大通りへと足を向けた。


「篤志さん。」


「ん?」


呼ばれて声のした方を向けば、顔見知りが立っていた。

服装からするに、あっちも仕事帰りだろう。


「おう、久し振りだな。」


「篤志さん、今話してた人と知り合いですか?」


奴は長い足で近づいてくると、ヒロが去っていった方を向いて聞いてくる。


「うちに新しく入ったバイトだよ。」


「そうなんですか。」


「なんだお前~ああいうのがタイプなのか?」


隼人さんといいこいつといい、イケメンなら綺麗所を選び放題だろうに、モテすぎると逆に地味な奴に興味が出てくるのか?