「30なんてあっと言う間よ。
だからヒロもいつまでも地下にいないで、いい加減出てきなさい。傷癒えたんでしょ?いつまであんな男と小娘に顔会わせたくないって言ってるのよ。私、秘書課を出て行く時言ったわよね?傷が癒えたら、出てきなさいって。
それに、私が、仕事出来る子をいつまでも埋もらせておくと思ってるの?」



優しく笑う先輩に胸がいっぱいになった。

先輩はずっと心配してくれていた。

これまでも部署が変わった私を、事ある毎に気に掛けてくれて…



「先輩…」


先輩に感謝の気持ちで一杯になった。が…


「そして、私を助けなさい!」


あっ、結局そこにいくんですね…


「大変お世話になった秘書課の、自分の歳も直ぐに言えないくらい疲れた、多忙な先輩の、大量の仕事の、一つくらい助けてくれたって、バチはあたらないと、思わない?」


ニコリと先輩にあの笑顔で凄まれては、もう逃げられない…


「思います…」