「藤子先輩。」


振り返れば、いつの間にか後ろに秘書課の藤子先輩が立っていた。

藤子先輩は、背が高くスラッとしていてモデルみたいな人で、見るからに出来る女って感じなのだが、中身も裏切ることなく出来る女なのだ。

が、派手を好まず黒い髪はバレッタでキッチリまとめられているし、化粧も派手過ぎず、かと言ってナチュラル過ぎず程よい。



「それ、元々藤子先輩の仕事ですよね?
増やしてませんから。」


「そうね。
でも、元々社長第二秘書が地下になんて行かなければ、私の仕事は二分の一、いえきっと仕事を覚えたその子に仕事任せて、今頃二分の一以下になってたはずなのよね。
だから、少しくらい手伝ってくれてもいいと思わない?」


「うっ…」


それを言われると胸が痛い…


いや、でも、ここで負けるわけには…


「あの子がいるじゃないですか。」


「名ばかりの後任がね。」



心底嫌そうに小夏が顔を歪めた。


ちょっとちょっと、秘書がこんな場所でそんな顔しちゃダメだって!