「あ、あの!ヒロさん!何かお礼させて下さい。」
階段に足を向けていた私は、立ち止まらず顔だけ振り返った。
「別にお礼なんていいよ。気にしないで。」
「それじゃあ、俺の気がすみません!」
「本当に大丈夫だから。もうバス来ちゃうから行かないと、じゃあね。」
階段を駆け下り、振り返らずにバス停へと急いだ。
********************
逃げるように会社に来てしまったけど、雪斗君、あれで諦めてくれたよね?
一日ファイル整理をしながら、朝の出来事を思い返しては、もっと良い対応があったのではないかと考えてしまう。
『俺の気がすみません!』って言ってたしなー
でも話してる時間もなかったしな~
あれだけ言ったんだから大丈夫だと思うけど…
万が一諦めきれてなかったにしても、会わなきゃ良いんだよね。
秋庭さんのこともあるし、会わないようにしないと。
「あれ?」
この書類、このファイルじゃないよね。
ファイルから抜き取った書類を持ち、私は膨大な数のファイルが仕舞われた棚に向かった。
階段に足を向けていた私は、立ち止まらず顔だけ振り返った。
「別にお礼なんていいよ。気にしないで。」
「それじゃあ、俺の気がすみません!」
「本当に大丈夫だから。もうバス来ちゃうから行かないと、じゃあね。」
階段を駆け下り、振り返らずにバス停へと急いだ。
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逃げるように会社に来てしまったけど、雪斗君、あれで諦めてくれたよね?
一日ファイル整理をしながら、朝の出来事を思い返しては、もっと良い対応があったのではないかと考えてしまう。
『俺の気がすみません!』って言ってたしなー
でも話してる時間もなかったしな~
あれだけ言ったんだから大丈夫だと思うけど…
万が一諦めきれてなかったにしても、会わなきゃ良いんだよね。
秋庭さんのこともあるし、会わないようにしないと。
「あれ?」
この書類、このファイルじゃないよね。
ファイルから抜き取った書類を持ち、私は膨大な数のファイルが仕舞われた棚に向かった。



