【永和】
俺の名前は神崎永和。
生まれつき体が弱く、今日も病院に行ってきた。
今日はいつもと違う家に帰る。
婚約者の居る家に帰らなければ行けない。
父のことは尊敬しているので、政略結婚でもいい。
相手は今年高一らしい
仲良くなれるといいけど、
そう思っていると、家についた。
今は6時。
父は婚約者は家で待っていると言っていた。
ガチャ
永「ただいま、」
.........シーン、
あれ?
誰もいないのかな?
そう思って家に上がって、リビングに行こうとしたら、
どこかから、何かの楽器の小さな音がした。
すごく綺麗な音で、すごく心が揺れる。
その音につられるようにどこに行くのかもわからず歩いていくと、地下があった。
そーっとそーっと歩いていくとどんどんその音は大きくなっていった。
そして地下に降りると、
永「!!」
とても上品な和風の廊下が現れた。
すごく綺麗だ。
そして奥に下半分がガラスの障子があった。
その中から音が聞こえているようだ。
そーっと近づいて、障子の下半分を覗くと、
永「! 」
上品に着物を着こなした、綺麗な女の人が筝を弾いていた。
すごい。
それを見ていると、あまりに綺麗な音色で、とても美しい姿で筝を演奏しているので、
息をするのが勿体無いとさえ思えてきた。
だから必然的に自分の呼吸の音で演奏がダメにならないように、呼吸を浅くした。
すると、心が揺れて、息ができなくなってきた。
永「ヒューー、はあ、、は、ヒューーはぁ、あ、うっ、」
やばい。喘息が、
くっ、
ガタンバタッ!
俺はその場に倒れた。

