「若宮、進路はもっとちゃんと考えないとダメだ。中卒で就職なんて、」
『いえ、私はこれから5歳の双子を食べさせていかないといけないんです。父も母もいないので、だからこれで大丈夫です。』
そういった私と先生の間には1枚の進路希望の紙が置いてある
「...本当にこれでいいのか?」
『はい。これでいいです。』
「分かった。なんでも相談のるからな」
『はい、ありがとうございます。失礼しました。』
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私の名前は若宮和調(わかみやなつき)
春休み目前の中学三年生だ。
私には5歳の双子の弟[陸(りく)]と妹[凛(りん)]が居る。
両親はもういない。
父は四年前に離婚して、
母は一年前に事故で亡くなった。
母のことをちょっとだけ自慢をすると、
母は合計8個の特技がある。書道、花道、茶道、香道、日本舞踊、筝、三味線、着付け。
母のお母さんはとても伝統文化が好きだったみたいで、母が2歳の頃から伝統文化を教えたらしい。
おかげで私も2歳から母に教わって、母と同じ特技がある
(日本のトップクラスの実力があるが和調は自覚していない)
道具とかもすべて揃えてくれた。
私はそれに加えて、バレエもやってた。
母はバリバリ働くタイプだったから離婚したあともお金にはそれほど困らなかった。
でももう必要なくなっちゃった。
せいかつのために 道具とかも全部売っちゃったから、もう一生触れないと思う。
母が亡くなってからは、おんぼろアパートに引っ越して母の貯金と私の今までの子供手当て・お年玉でなんとか生活出来てたけど、そんなに多い額ではなかったし、流石に高校は通えないし、貯金も残り少ない。
母のお母さんとお父さんは高齢出産だったから、母が35歳の頃には75歳で今はもう亡くなっている。
だから頼れる人は誰もいない。
だから何とかしないと、
まあとにかく早く中学を卒業しないと、