それ、海斗にも言われた……

「だけどね……苦しいのは夏美だもんね……記憶に蓋したいって思うのは、当たり前だもんね……」

ママはさっきよりも、強く抱きしめてくれた。

「ママにはっ……どうすることも出来ないっ……そばにいることしかっ……出来ないっ……苦しみを分けてもらうこと出来ないっ……」

「ママっ……」

ママは、泣いている。

「ママがっ……代わってあげたいっ……」

「……っ!」

ーープルルルル

「ぐすっ……電話、出てくるわね……」

ママっ……