傷を負った少女

「ねえ兄ちゃん、夏美姉ちゃんなにしてるの?本当のこと教えてよ!」

「夏衣……」

服の裾を掴む夏衣を見ていたら、黙ってるのも辛い。

「母さん、教えていいだろ?」

「……そうね」

俺は夏衣に目線を合わせて、離さずに話だした。

「夏美姉ちゃんはな、7年前、眠りについてしまったんだ」

「どーして?」

「夏衣、3歳だったから覚えてるか分からないけど、殺人事件が起きたんだ。夏美姉ちゃんの家の近くで」

「殺人事件……?」

俺は黙って頷いた。