傷を負った少女

そう言って、私の手を引いて歩き出した。

「かーー」

「さっきの話、本当だから」

「えっ……?」

名前を呼ぼうとしたら、それを遮ってそう言った。

「俺と夏美は、付き合ってるから」

「付き合ってる……?」

「9歳の時、俺が告ってそっから」

私と海斗くんが……?

そう考えていると、海斗くんは立ちどまった。

「海斗くーー」

「覚えて……ないよな……」

さっきよりも、強く手を握っていた。