「ということで、これ新しい原稿用紙な。ちゃんと200字以上書けたら職員室に持ってきなさい」
「ぜったいやだ。むり、帰るわ」
「こら、仙崎。待ちなさい!」
洋くんが岩本先生にくるりと背を向け、1歩を踏み出したところでその腕をガシッと掴まえた。
「私も一緒に居残りするから、頑張って書こう?」
ぱっと振り返って私を見た洋くんは、嫌そうに頬をひきつらせている。
「ねっ?やろう?」
「はぁ……。わかったよ、やればいいんだろやれば」
洋くんは岩本先生の手から奪い取るように原稿用紙を掴むと、ドカッと自分の席に座った。


