この手をぎゅっと、離さないでね?




って……いけないいけない。

さっきから会話ばっかりで、勉強がぜんぜん進んでないじゃんか。



「さっ!勉強の続きするよーっ」



会話を半ば強引に終わらせて…と。

あんまりたくさん時間もないから、さささっと漢字の読みがな50問を終わらせてしまわなきゃ。



「でね……洋くん、この漢字はね…」

「ふんふん」

「読みがなはこうなんだけど…」

「なぁ、あかりっていつもいい匂いだよな。髪の毛から甘い匂いがする」



洋くんは私の黒髪を指ですくうと、鼻先をつけてくんくん匂ったりなんかしてて…。



もうっ、ぜんぜん勉強が進まないじゃんかぁっ!