出来損ないの黒宮さん

「君は良い友達を持ったな。少しうらやましいよ。」

そう言うと、源は丸く目を見開いて私を見た。

灰色の目は朝の光を浴びてとてもきれいだ。


そういえば昨日もこんな顔されたな。

「……何言ってんだ?アンタ…じゃなかった、信乃もとっくに友達だろ。それ、あの2人に言ったらあいつら泣くぞ。」

「………」

「あと、君じゃなくて源…って呼べよ。」

「………私も、友達で良いのか?」



ーーー出来損ないなのに。


「当たり前だろ。つーか、俺はとっくにそう思ってたけど。」


出来損ないで、しかも会ったばかりの私にこんなに良くしてくれる。

友達とも言ってくれた。

……嬉しくて、涙が出そうなのは初めてだ。

「…………嬉しい。」

泣き出しそうで、その一言しか言えなかった。