出来損ないの黒宮さん

食堂へ向かうと、源と日向は席に着いて待っていた。

「お、来たか!というか、よく舞のこと起こせたな。そいつなかなか起きないぞ?」

「日向の言う通り手を握ったら一髪で起きたぞ。」

「それは良かった!飯、冷めないうちに食おうぜ!」

「うわー!今日も美味しそうだね!」


朝食のメニューは、こんがりと焼き色の付いたトーストとベーコン、トロトロなスクランブルエッグ、彩り豊かなサラダである。

飲み物はいろいろあって、どれでも好きに選べるようだ。

「おーー!信乃ちゃん、コーヒーブラックで飲めるの?」

「ああ、コーヒーや紅茶は砂糖やミルクが入っていると逆に飲めないんだ。」

「大人だねえ。」

「俺も飲めるぞ。」

「日向はいくらブラックで飲めても言動が子供じゃん。」

本当に仲がいいな、と見ていて羨ましくなると同時にホッとする。

きっとこれまで友達と呼べる人がいなかったからだろう。

「お前ら、さっさと食べねえと学校遅れるぞ。」

そう言うと、源は食器を下げにいってしまった。

今は7時40分。

確かに少し急がないと遅れてしまうな。